マーケティングPRとは、企業や商品・サービスの価値を社会に伝え、認知・理解・信頼を高めることで、顧客の関心や購買行動、問い合わせなどにつなげていくPR活動です。
新商品を発売したとき、広告を出すだけでは、必ずしもその価値が十分に伝わるとは限りません。
なぜその商品が必要なのか。従来の商品と何が違うのか。どのような社会課題や顧客の悩みを解決するのか。
こうした情報を、メディアや生活者にとって意味のある形に整理し、さまざまな情報接点を通じて伝えることが重要です。
マーケティングPRの本質は、企業が伝えたい情報を一方的に発信するのではなく、社会や顧客が関心を持つ理由をつくり、商品・サービスへの理解と信頼を高めることにあります。
株式会社コミュニケーションデザインでは、2003年の創業以来培ってきたPR企画力やメディアリレーションを基盤に、従来のメディアPRとデジタル領域を組み合わせた情報発信を重視しています。

マーケティングPRとは?広告・宣伝との違い
企業が商品やサービスを広める方法には、広告、PR、SNS、コンテンツマーケティングなど、さまざまな手段があります。
広告は、企業が広告枠を購入し、伝える内容や掲載タイミングを一定の範囲で管理できる手法です。
一方、メディアPRでは、企業が持つ情報を新聞・テレビ・雑誌・Webメディアなどに提供し、記者や編集者が取材・掲載する価値があるかを判断します。
そのため、メディアPRでは企業が掲載内容やタイミングを直接決定することはできません。しかし、第三者の取材や編集を通じて情報が伝えられることには、広告とは異なる価値があります。
マーケティングPRでは、こうした手法の特徴を理解したうえで、目的に応じて組み合わせることが重要です。
| 手法 | 主な特徴 | 主な役割 |
|---|---|---|
| メディアPR | 記者・編集者などが取材や掲載の可否を判断する | 認知・理解・信頼の形成、話題の創出 |
| 広告 | 広告枠を購入し、訴求内容や配信対象を設定できる | 認知拡大、商品訴求、集客、販売促進 |
| SNS | 企業と生活者が継続的に情報を発信・共有できる | 接点づくり、共感の形成、情報の拡散 |
| SEO | 検索エンジンで公式情報を発見しやすくする | 検索流入、比較検討時の情報提供 |
| GEO/LLMO | 生成AIが企業や商品について理解・参照しやすい情報を整備する | AI検索での情報の正確性、発見・参照機会の改善 |

重要なのは、PRと広告のどちらが優れているかではありません。
それぞれの手法の役割を理解し、顧客が商品を知り、興味を持ち、比較・検討し、行動するまでの流れを設計することです。
マーケティングPRが重要な3つの理由
1.商品・サービスの価値を第三者の視点から伝えられる
企業が自社の商品を「優れている」と説明することと、メディアが独自の取材や検証を通じて商品を紹介することでは、情報の受け止められ方が異なります。
例えば、商品の性能や特徴だけでなく、開発背景、利用者の課題、業界の変化、専門家による解説などが加わることで、読者や視聴者の理解が深まる可能性があります。
ただし、メディアへの掲載が必ずしも高い信頼や販売増加を生むわけではありません。報道内容や媒体の特性、顧客との関連性によって効果は異なります。
2.広告だけでは伝えにくい情報を届けられる
広告では、限られた時間やスペースで商品・サービスの魅力を伝える必要があります。
一方、取材記事や専門家による解説、独自調査などを活用することで、商品が生まれた背景や社会的な意義、技術の特徴などを詳しく伝えられる場合があります。
特に、BtoB企業、専門性の高いサービス、新しいカテゴリーの商品などでは、顧客が価値を理解するための情報提供が重要になります。
3.PRによって生まれた情報を継続的に活用できる
メディアへの掲載を単発の成果として終わらせず、公式サイトやSNS、営業資料などの情報発信と連携させることで、顧客が商品・サービスを理解するための接点を増やせます。
例えば、メディアへの情報提供に用いた独自調査や商品データを公式サイトでも公開すれば、顧客や検索エンジンが一次情報を確認できるようになります。
さらに、生成AIによって企業や商品がどのように紹介されるかを分析し、公式情報の不足や不正確な記述の改善につなげることも考えられます。
なお、メディア掲載記事の転載やロゴの使用には、各媒体の許諾条件や著作権への配慮が必要です。
マーケティングPRの具体的な手法
マーケティングPRでは、商品・サービスの特徴や顧客の課題に応じて、複数の手法を組み合わせます。
プレスリリースによるニュースの発信
新商品・新サービスの発表、独自技術の開発、調査結果の公表、企業間の連携など、報道価値のある情報を整理してメディアに提供する手法です。
重要なのは、企業が発表したい内容だけでなく、その情報が社会や生活者にとってなぜ重要なのかを明確にすることです。
プレスリリースの配信自体がメディア掲載を保証するものではないため、媒体の編集方針や記者の関心に合った情報設計が求められます。
詳しくはプレスリリースサービスをご覧ください。
調査PRによる新しい話題の創出
独自のアンケート調査や保有データの分析を通じて、生活者の意識や行動、社会の変化などを明らかにし、ニュースとして発信する手法です。
新商品や新サービスの発表がない場合でも、商品が解決する課題や市場の変化を調査することで、メディアが関心を持つテーマを開発できる可能性があります。
調査結果を活用する場合は、対象者、調査時期、調査方法、回答数などを明示し、結果を誇張しないことが重要です。
詳しくはパブリシティ調査・調査PRサービスをご覧ください。
メディア向け企画提案・取材アプローチ
新聞・テレビ・雑誌・Webメディアなどの編集方針や特集テーマを研究し、媒体に適した企画を提案する手法です。
同じ商品でも、ビジネス、健康、暮らし、教育、働き方など、どの視点から紹介するかによって、適したメディアや取材テーマは異なります。
メディアが取材を検討するために必要なデータ、専門家のコメント、撮影可能な素材などを準備することも重要です。
経営者・専門家による情報発信
商品やサービスだけでなく、開発者、経営者、専門家の知見を発信することも効果的な方法の一つです。
専門家による寄稿、取材、講演、書籍出版などを通じて、特定の分野に関する知識や経験を社会へ伝えることで、企業の専門性への理解を深めることができます。
商品そのものを宣伝するのではなく、顧客が抱える課題に対して役立つ情報を提供する姿勢が重要です。
SNS・インフルエンサーとの連携
商品・サービスと親和性の高い情報発信者と協働し、特定のコミュニティや生活者層に情報を届ける方法です。
企業と情報発信者がそれぞれの専門性を尊重し、受け手にとって有用な情報を発信することが重要です。
広告や報酬を伴う投稿では、関係性の開示など、ステルスマーケティング規制をはじめとする関連法令への対応が必要です。
マーケティングPRを成功につなげる5つのステップ

STEP1.目的とターゲットを明確にする
まず、PR活動によって何を実現したいのかを整理します。
- 新商品・新サービスの認知度を高めたい
- 競合商品との差別化を図りたい
- 商品・サービスへの理解や信頼を高めたい
- 公式サイトへの訪問や問い合わせを増やしたい
- 特定の顧客層に商品を知ってもらいたい
目的によって、適した媒体、情報の切り口、評価指標は変わります。
STEP2.商品・サービスのニュース価値を見つける
商品の特徴を並べるだけでなく、社会や顧客にとっての意味を整理します。
例えば、省力化につながる商品であれば、人手不足や働き方の変化との関係を検討できます。健康関連商品であれば、生活者の課題や利用実態、専門家の知見などが切り口になることがあります。
ただし、社会課題と無理に結び付けたり、根拠のない効果を訴求したりしないことが重要です。
STEP3.メディアに適した情報と資料を準備する
ニュースの内容に応じて、プレスリリース、メディア向け企画書、ファクトシート、写真、動画、調査資料などを準備します。
特に重要なのは、記者や編集者が取材の可否を判断しやすい情報を提供することです。
事実関係が確認できる資料、客観的なデータ、取材対応可能な担当者、撮影素材などを用意することで、取材を検討する際の負担を減らせます。
STEP4.メディアPRとデジタル施策を連携させる
メディアに情報を提供すると同時に、公式サイトにも正確な商品情報、独自データ、FAQなどを整備します。
必要に応じてSNSや広告を組み合わせ、メディアへの掲載をきっかけに関心を持った人が、詳しい情報を確認できる導線をつくります。
情報を発信するだけで終わらせず、顧客が次にどのような行動を取れるかまで設計することが重要です。
STEP5.成果を測定し、継続的に改善する
マーケティングPRの成果を評価する際には、メディア掲載件数だけでなく、当初の目的に応じて複数の指標を確認します。
- メディア露出:掲載・放映件数、媒体の種類、報道内容
- 認知・理解:認知度、商品理解度、ブランドイメージ
- Webでの行動:指名検索、サイト訪問、商品ページの閲覧
- AI検索での可視性:ブランド言及、引用元、紹介内容の正確性
- 事業成果:問い合わせ、資料請求、商談、購買など
ただし、売上や問い合わせには広告、価格、季節性、競合動向など複数の要因が影響するため、数値の変化をすべてPR活動の成果と判断することはできません。
目的に応じた評価指標を設定し、施策の改善につなげていくことが大切です。
SEO・GEO時代のマーケティングPR
近年、商品・サービスの情報を探す際には、Google検索に加え、ChatGPT、Gemini、Perplexityなどの生成AIを利用する人もいます。
こうした情報環境の変化によって、企業はメディアに情報を届けるだけでなく、検索エンジンや生成AIからも理解されやすい公式情報を整備することが重要になっています。
例えば、独自調査を活用したPRを実施する場合、調査結果をプレスリリースで発表するとともに、公式サイトにも調査方法や結果、関連する商品情報などを掲載することが考えられます。
また、専門家によるメディア寄稿を実施する場合には、公式サイトのプロフィールや専門分野の解説を充実させることで、読者が関連する情報を確認しやすくなります。
これからのマーケティングPRでは、メディアに取り上げられることと、企業の公式情報が継続的に発見・理解されることの両方を意識する必要があります。
ただし、SEO・GEO/LLMO対策によって、検索結果での上位表示や生成AIによる引用・推薦が保証されるわけではありません。
株式会社コミュニケーションデザインでは、従来のPR企画力やメディアリレーションを基盤に、SEO・GEO/LLMOや生成AIを活用した情報分析にも取り組んでいます。
詳しくはコミュニケーションデザインの強みをご覧ください。
マーケティングPRに関するよくある質問
Q.マーケティングPRと広告の違いは何ですか?
広告は広告枠を購入して情報を発信する手法であるのに対し、メディアPRでは記者や編集者が情報の報道価値を判断します。マーケティングPRでは、広告とPRを対立させるのではなく、目的に応じて組み合わせることが重要です。
Q.広告予算が少なくてもマーケティングPRはできますか?
可能です。企業が持つ独自の技術、商品開発の背景、調査データ、専門知識などを活用して、メディア向けの企画を開発する方法があります。ただし、PR企画の立案や資料制作、メディアへのアプローチには人的コストなどが発生します。
Q.新商品がなくてもPR活動はできますか?
可能です。既存商品についても、社会課題との関係、独自調査、利用者の変化、技術的な特徴、専門家による解説など、新しい切り口を検討できます。
Q.メディアに掲載されれば商品は売れますか?
メディア掲載が必ずしも売上増加につながるわけではありません。商品への需要、価格、販売チャネル、競合状況などによって成果は異なります。掲載後に公式サイトや販売ページなどで詳しい情報を確認できる導線を整えておくことが重要です。
Q.マーケティングPRとSEO・GEOはどのように連携しますか?
PR活動で活用する一次情報や専門知識を公式サイトでも発信し、検索エンジンや生成AIが情報を理解・参照しやすい状態に整えることが考えられます。また、検索データやAI検索での言及・引用状況の分析を、情報発信の改善に活用できます。
まとめ|マーケティングPRは、企業の価値を社会に伝えるための戦略
マーケティングPRは、広告予算を抑えるためだけの手法ではありません。
企業が持つ商品・サービス、技術、専門知識などの価値を、社会や顧客にとって意味のある情報に変え、認知・理解・信頼を高めていくための取り組みです。
新聞・テレビ・雑誌・Webメディアなどへの情報提供に加え、公式サイト、SNS、SEO・GEOなどを目的に応じて組み合わせることで、情報が継続的に発見される機会を増やすことができます。
重要なのは、企業が何を伝えたいかだけでなく、顧客や社会が何を知りたいのかを考え、相手にとって価値のある情報を発信することです。
株式会社コミュニケーションデザインでは、PR戦略の立案、ニュースの開発、メディア向け企画提案、プレスリリース制作などを通じて、企業や専門家の情報発信を支援しています。
詳しいサービス内容はPRサービス一覧をご覧ください。